どうやらよく眠れたようだ。今日は前々から予定していた沖縄都市モノレール、通称ゆいレールの取材の日だ。沖縄の通勤風景を見ようと目覚ましをセットしていたのだが、起きられずに8時をまわってしまった。ちょっと遅いだろうと思いながらも、そそくさと身支度を整え最寄りの旭橋駅へと向かう。
で、昨日買ったSFカードで一日乗車券を買おうとしたのだが、やはりカードでの購入は出来ないようだ。他の券種で試してみたが購入できるのは普通乗車券だけでした。改札で尋ねてみると、昨日とは違う人だったがやはり慣れない様子で、後ろの方のエライ人(?)に確認をとった結果やはり使えないとの返事だった。カードの払い戻しも考えたが、記念台紙は外して持ってきていないし、記念カードだけにちょっと手放したくない気持ちもあったため、払い戻しはやめることにした。窓口で減算処理の上一日乗車券との引き換えも考えたが、開業間もないのに例外的な扱いを強いると混乱に拍車をかけると思ったので、普通に現金で購入し、自動改札を通る。改札員は乗車・降車を問わず、通る人全てに「ありがとうございます」と声をかけていた。
改札口を入ると正面にトイレ(男・女・障害者用)があり、左右に階段・エレベーター・エスカレーターがそれぞれ一基ずつあった。ハード的には完全にバリアフリーに対応したつくりとなっている。あとはソフト面がどのようになっているかだが、今回はそのような場面を目撃することは無かった。このような相対式の駅は全15駅中の5駅で採用されているが、必ずしも利用者数で決められているわけではなく、立地条件などに起因しているようである。エスカレータを利用してホームへ上がると、必ずホームの端に出てしまう。これには心理的に不満をもってしまう。車両は2両編成でホーム全体でも50メートルほどだから、どこに出ようがたいした距離ではないのだが、それは贅沢なのだろうか?
ほどなく空港方面から大きく右カーブを描いて2両編成のちっちゃな電車が近づいてきた。ホーム距離が短いため進入時の速度は非常にゆっくりである。扉が開くと10人ほどが降りただろうか。一方乗車は私を含め5人。そのうち二人は記念乗車のようだった。扉が閉まり発車する。ほぼ定刻(8時43分発)の発車だ。最後尾に乗り込んだのだが立ち客はそれなりに居たものの先頭を望むことは可能であった。乗客数はそれなりにいたのだが、これらの旅客も次の県庁前でほとんど降りてしまい、右の写真のように車内は閑散としてしまった。この先暫くは増減はあまり無かったのだが、古島の駅で多くの下車があった。近くに学校があるようだ。一気に乗客が減った車内は以降増えることなく終点の首里に到着した。終点であるこの駅は相対式で2つのホームがあるのだが、通常は一つしか使っていないようである。ホームの先にもまだレールは延びているのだが、果たして使われる日は来るのであろうか?改札階に降りると昨日(8月31日)までの僅か3週間で乗車100万人を達成した旨の看板が立っていた。
首里駅から首里城公園までは歩いて15分ばかりかかる。首里城自体が山城であるから途中は上り坂が続く。最寄駅には違いないのだが、もう少し近くに設置できなかったのだろうか。それでもここから首里城を目指す新しい動きが生まれたと報道されており、果たして観光客の感想は如何なものだろうか?
首里城観光の後は隣の儀保駅から乗車した。初めての島式ホームだ。利用客の多いとはいえない駅では極力島式にして建設費を減らしたいといったところだろうか。バリアフリー法が施行されてからは新設の施設に関して設置が義務付けられたエレベータやエスカレータだが、これまで見てきた対抗式ホームだと、過剰設備と感じられたが、島式だとまあ許せる感じがした。いずれにしろ大きな負担ではあったと思うが…。エスカレーターが昇りの一台しかないのがせめてもの節約か。この駅での乗降は少なく乗り込んだのは5人くらい。お昼時だったので国際通りの東端である牧志駅で降りる。一応街の中心部なので、それなりの下車があると思ったのだが10人もいなかった。こんなものなのだろうか。
適当に沖縄料理店に入り,その後見栄橋駅から乗車した。この駅は駅前が最も開けており都会を感じさせる立地になっている。ホームは賑わっており、前日には落下事故も起こっていた。ホームには駅員が配置されており、ひっきりなしに注意を促していた。車両進入時に柵に寄りかかったり肘をついていようものなら、マイクで注意されるし、運転士からもホーンの洗礼を浴びせられることとなる。ここから奥武山公園(おうのやまこうえん)まで乗車した。旭橋からは川沿いの景色のいいところを走る。道も綺麗で非常に気分がいい。この辺りからは住宅地に入っていく。
車窓からの景色に魅せられて、河川敷の公園を少し散歩しながら隣の壷川駅まで戻った。近くの郵便局でゆいレール開業記念の記念切手を購入して再びモノレールに乗車し、今度は那覇空港へと向かった。レールは住宅地をすり抜けるように走っており左右にはたくさんのマンションや文化施設が立ち並んでいた。那覇空港駅が近づくと、左手にはモノレールの基地が見えた。数編成の車輌が休んでおり、車輌に不測の事態が起こった時にはきっと活躍してくれることだろう(?)。もうお馴染みの琉球音楽が流れて終点であることを告げると那覇空港駅のホームへ滑り込んだ。
那覇空港駅は首里駅と同様に頭端式で1面2線からなっている。他に気付いた点といえば自動改札機の数が他駅より多い3台設置されており、うち一台は入場専用で運用されていた。開業間もないせいだろうが、改札付近には無効印を求める人が列をなしていたが、自動改札や自動券売機にもそれぞれ係員を配置するなど、不案内旅客への対策は取れているようで、人員には余裕がありそうだ。
空港ターミナル2階から伸びた通路の先には観光バス乗り場や駐車場があり、モノレール駅もその通路を渡っていくことになる。たいした距離ではないが動く歩道も備え付けられている。沖縄の気候も手伝って、非常に明るく気分がいい。那覇空港は大小様々な旅客機が離着陸する他、自衛隊や米軍機も利用しておりトラフィックの多い空港である。そのため駅改札付近は常に旅客で賑わっており、短い時間であったがいろんな言葉(方言)を聴くことが出来た。また、この時間にも関わらず一日乗車券を購入する人がぽつぽつと見受けられた。
本当はもう乗る予定は無かったのだが、夕食を食べに外へ出たついでに再び首里まで乗車した。スーツ姿のサラリーマンもほとんど見られず、車内は遅い便で到着した観光客や、地元の近距離利用者が僅かにいた程度である。首里からの折り返し列車も似たようなもので、途中大きな虫が招かれざる客として乗車してきた他は何事も無く静かな車内であった。首里城がライトアップされていて大変綺麗だったため、カメラを持ち歩かなかったのが非常に悔やまれる結果となってしまった。
沖縄都市モノレールの車輌は全てが2両固定編成を組んでおり、ワンマン運転がなされている。ただし移動中の社員が頻繁に乗り合わせている事実から、保安要員という観点からすると2メン列車といえるものも多い『優』『涼』『景』『清』『軽』をコンセプトに作られた車輌は東京の長大編成に見慣れた私には『軽』くて『清』潔なのは勿論感じ取ることができるし、美しい『景』色を楽しむことができるので満足だが、『涼』よりは『明』の方がふさわしい感じがした。運転台は右側についており多少の違和感を感じたものの、むしろ日本ではこれが普通なのではとの結論にいたった。(日本の列車は何故左ハンドルなのか?経緯をご存知の方教えてください。)